ナイフに使用される鋼材|ステンレスって何?|ステンレスに含まれる元素|
ステンレスってなに?
ステンレス鋼の説明 |
ステンレス鋼(stainless steel)は、鉄に10.5%以上のクロムを含有させて(しばしばニッケルも含有する)、耐食性を向上させた合金で、ステンレススチール、または単にステンレスと呼ばれています。
最初のステンレス鋼は、スウェーデンのある鉱山から取れた鉱石から作られた鋼が錆びにくいことに気づき、それを分析したところクロムを9%含んでいました。 ステンレス鋼は、含有するクロムが空気中で酸素と結合して表面に非常に硬くて剥離し難いその上化学的に安定した、酸化クロムの不動態皮膜をつくるため錆びにくいのです。 俗に、ステンレス鋼を「ステン」と呼ぶ人がいますが、“ステンレス(stainless)=錆び、汚れ(stain)ない(less)”から否定語(less)を省略して、その特性と正反対の「錆び」と呼ぶ奇妙な呼び方は正したいものです。 ナイフには所定の元素を組み込んだ組成を持つ炭素鋼やステンレス鋼が使われますが、組成の中で最も重要な働きをする要素は、カーボン・クロム・モリブデン・タングステンの元素とその配合比であり、特に炭素濃度は硬さに重要な要素です。 |
ナイフ鋼材に含まれる元素名とその特性
これらの元素はステンレスの”味の素” ほんのわずかな量で、その性質が大きく変わります
元素名 |
特性 |
炭素(C) |
硬度、耐摩耗性の向上。1.5%以上になると脆弱さ(もろさ)が現れる。 |
クローム(Cr) |
鋼の表面に薄い酸化皮膜をつくり錆びを防止する.ステンレス鋼には欠かせない。 |
ニッケル(Ni) |
クロームと共に用いることで耐食性が高まる |
モリブデン(Mo) |
海水などの塩化物イオンへの耐食性と耐酸性も向上させる。 |
バナジウム(V) |
組成が細かく均一化されるので研磨し易く刃持ちが向上する。 |
タングステン(W) |
硬度を高くする。 |
ケイ素(Si) |
耐蝕性の向上。 |
マンガン(Mn) |
耐蝕性の向上。 |
コバルト(Co) |
耐摩耗性の向上。硬度を高くする。 |